糖分子は水溶液中では直鎖型と環状型との間で平衡状態にあります。
ただし直鎖型の割合は非常に少なく(1%未満)、ほとんどが環状型です。例えば、D-グルコースでは約99%が環状型(主にピラノース型)、1%未満が直鎖型です。
この環状型の中で、最も安定的で一般的なのがピラノース型とフラノース型です。
ピラノースとは、六員環とも呼ばれ、5つの炭素原子と1つの酸素原子からなる環状構造をとります。
フラノースとは、五員環とも呼ばれ、4つの炭素原子と1つの酸素原子からなる環状構造をとります。
その他にも四員環や七員環、八員環などの構造も理論的には可能ですが、安定性が低いためほとんど存在しません。
そして糖分子がこの環状構造になると、アノマー(2種類の異性体)が生じます。
アノマーとは、糖分子が環状構造になる際に、新たにできた不斉炭素原子(アノマー炭素)によってできる異性体のことです。
α型とβ型に分けられます。
- α型 : アノマー炭素に結合しているヒドロキシ基(-OH)が、環の酸素原子に対して反対側に位置。
- β型 : ヒドロキシ基が環の酸素原子と同じ側に位置。
単糖は水溶液中で、α型とβ型との平衡状態にあります。(約36%がα型、64%がβ型)
アノマー炭素とは、糖分子が鎖状構造から環状構造となる際にできるヘミアセタールとヘミケタールという化合物の中心にある炭素原子のことです。環状構造では、この炭素原子が新たに4つの異なる置換基を持つため、不斉炭素となります。
アルドース(アルド糖:構造中にアルデヒド基をもつ単糖)の場合のアノマー炭素原子は、アルデヒド基(-CHO)のC
ケトース(ケトン糖:構造中にケトン基をもつ単糖)の場合のアノマー炭素原子は、ケトン基(C=O)のC
今日はここまで!
今日はこの続きのヘミアセタールとヘミケタールについて学び、ブログにまとめます。
今週中には「岡野の化学」に戻れるかな。
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