地球の約70%は海水であり、淡水(真水)はわずか数%。この海水から塩分その他を取り除いて飲める水をつくり、水不足を解消しようというのが海水淡水化です。
古くから行われてきたのは蒸発法と言われる方法で、海水を加熱して蒸気を発生させ、その蒸気を冷却して淡水を得るという方法です。この方法はエネルギーを大量に消費するため造水コストが高く、かつ環境負荷も大きいやり方です。
これに対して、半透膜を使って淡水化を行う膜法というものがあります。
これは浸透の原理を利用している方法で、浸透とは、溶液の濃度が異なる間で、水が溶液濃度を一定にしようと移動する現象です。この濃度の違う溶液間に半透膜という、大きい分子は通さないが小さい分子は通す孔が空いた膜を設置すると、水は濃度の低い方から濃度の高い方へと膜を通して移動します。膜は水分子のみを通すため、濃度が濃い溶液は水が増え、濃度が薄まります。こうして膜内外の濃度を均一化しているのです。
これは動物や植物の細胞壁などにもみられる現象です。
この時にかかる圧力を浸透圧といいますが、海水淡水化では、この浸透圧以上の圧力を逆に海水側からかけることによって、海水から淡水側へ半透膜を通じて水を押しやります。これを逆浸透といいます。
この逆浸透の原理を利用して海水淡水化プラントがたくさん設計されています。日本は世界でも有数のシェアを誇っているようで、企業のHPもいくつか検索できます。
特許で「RO膜」で調べると600件超の事案あり。この中で開発者を絞ってまずは一件読んでみようと思います。
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