化学系企業のサイトに、溶媒の極性度がわかる表がありました。(株式会社河辺商会:溶剤の溶解性)
これを見ると、水は強極性有機溶媒といわれるメタノールよりも極性が高いことがわかります。
- メタノールのSP値:14.5-14.8
- 水のSP値:23.4
※SP値(溶解度パラメーター):物質の溶媒への溶解度を表した指標
水分子は極性が非常に高く、分子の一部が正の電荷(H⁺)を、もう一部が負の電荷(O⁻)を持っています。このため、水分子は両性イオンの正電荷(–NH₃⁺)と負電荷(–COO⁻)に引き寄せられ、水和する(周囲を取り囲む)ことで両性イオンを安定化します。
一方、有機溶媒の多くは水と比べて極性が低いため、両性イオンとの電気的相互作用が弱く、安定化させる能力が十分ではありません。その結果、両性イオンであるα-アミノ酸は有機溶媒に溶けにくくなります。
アミノ酸の特徴として水に溶けやすく、有機溶媒に溶けにくいのは、有機溶媒の多くが水より極性が低いため、極性を持つアミノ酸が水ほどは分離しにくいからなんですね。これを簡単に言うと、岡野さんの本の記述にある通り「有機溶媒のほとんどは無極性だから」になるのですね。
水和エネルギーやHSP、極性、分子間力など…ここまでまとめるのに調べてでてきたワードは「知子の情報」に入れといて、とりあえず先に進むことにします。
アミノ酸の分類には酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸という分け方もあります。
一番簡単なα-アミノ酸であるグリシンは、弱酸性である-COOHと弱塩基性である-NH₂とを1つずつもっているため、それぞれが打ち消し合って中性を示します。
一方、アスパラガスに多く含まれるアスパラギン酸や、昆布のうま味成分として知られるグルタミン酸は、-NH₂が1つと-COOHを2つもっているため、1つ多い方の弱酸性を示し、酸性アミノ酸に分類されます。
同じようにリシンは-NH₂を2つもつため、弱塩基性を示し、塩基性アミノ酸に分類されます。
リシンなどアミノ酸は皮ふの保湿作用や美白効果などの目的で化粧品にも配合されているようですね。
化粧品に興味があるならこういうところから特許を調べて入っていってもいいかもしれないですね。
今日はここまで!
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