多糖類の天然高分子について学んでいます。
デンプンはアミロースとアミロペクチンという2つの分子から成り、らせん構造になっています。
これはα-グルコースの表とα-グルコースの表がC1位とC4位でどんどん結合していくと、分子の鎖が丸まっていくからです。立体的にねじれやすいんですね。デンプンはこのらせん構造をもつため柔軟で水に溶けやすい性質をもちます。
一方、セルロースは規則的なシート状構造になっており、この構造により固く安定した性質を得られることから植物の細胞壁などを形成しています。
この理由についてまとめてみます。
セルロースがシート状構造になっている理由
1 β-グルコースの構造
セルロースはβ-グルコースが結合してできています。
β-グルコースの構造は、C1位のヒドロキシ基(-OH)が平面より上方向、C4位の-OHが下方向に結合しています。このままだとグリコシド結合は起こりにくいです。
グリコシド結合は、デンプンのα-グルコースの構造のように、-OHが同じ方向にある方が空間的な制限がなく結合しやすいのです。上と下で、違う方向で空間的に距離があると、立体障害が生じたりして結合にかかるエネルギーが増大するので、自然界ではめったに起こらないんですね。
なのでセルロースの構造は、一方のβ-グルコースが反転し、表、裏、表、裏…という構造になっています。一方が反転することで、表側のグルコース分子のC1位の-OHと、裏側のグルコース分子のC4位の-OHとが同じ方向(上)になり、グリコシド結合が容易に起きるのです。
また、β-グルコースはα-グルコースに比べて水平で安定的な構造をしています。
これらのβ-グルコースの構造的特徴により、直鎖型の高分子化合物ができ上がります。
2 強固な水素結合
セルロースは、このβ-グルコースの直線状の鎖どうしが互いに水素結合してシート状になっています。
水素結合は、グルコース分子の中でグリコシド結合に関与しないC2位、C3位、C6位の3つの-OHによって生じます。分子内でも分子間でも水素結合は起こっています。
具体的には、
- 分子内水素結合: 主にC2位の-OHのOとC3位の-OHの間で形成される。
- 分子間水素結合: 主にC6位の-OHが他のセルロース鎖のC3位-OHと結合する。
デンプンのα-グルコースでも3つの-OHは空いているので同じように水素結合は起こりますが、水分下で局所的にしか起きません。なぜなら、デンプンのアミロースとアミロペクチンはらせん構造や分岐構造になっているため-OHが整列せず、セルロースのような強力な水素結合ネットワークはできないからです。
その点、セルロースは直鎖状になっているので-OHも整列しており、規則的で強固な水素結合ネットワークを形成するすることができるのです。そしてこの強固な水素結合によりセルロースはシート状の結晶構造をとることができているのです。
以上が私が学んだことですが、さらに詳しいことは植物学の世界に入ってしまうようなので、ここらで一旦切り上げます。
夜泣きが始まってしまいました…(泣)数分おきにギャン泣きです!またもや睡眠不足に逆戻り。何か月でおさまるかな。
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