現在、高分子化合物のうち縮合重合でできる尿素樹脂について学んでいます。ネット上では「ユリア樹脂」で検索した方が詳しい記事にあたります。
尿素樹脂(ユリア樹脂)は、尿素(urea)とホルムアルデヒドが縮合重合で反応してできる物質です。
縮合重合とは、単量体(モノマー)同士が結合する際に、それぞれの分子内から水分子などの小さな分子が除かれて結合する反応のことです。
尿素樹脂の場合は、尿素とホルムアルデヒドを反応させ、脱水縮合を繰り返すことにより網目状の構造を生成します。
この反応機構によると、尿素のアミノ基にある窒素原子のローンペアが、ホルムアルデヒド内の正電荷に分極した炭素に攻撃をしかけ、反応が進んでいきます。この窒素と炭素が結びついてモノメチロール尿素ができ(メチロール化)、もう一方の窒素原子も同じように攻撃をしホルムアルデヒドの炭素と結びつくと、ジメチロール尿素ができます。
疑問① 尿素のアミノ基にもともとあった水素原子はどこにいったのか?
調べてみると、おそらく…触媒の関係で脱プロトン化したのかと。塩基性条件下では尿素の水素(プロトン)は水酸化物イオン(OH-)に引き抜かれます。
疑問② メチロール化した際、カルボニル基の酸素OにHがついているのはなぜか?
上の反応機構では中間体が省略されていますが、窒素原子によるカルボニル基炭素への求核攻撃のあと、カルボニル基の酸素と炭素の二重結合が切れて単結合になっています。そしてその負電荷を帯びた酸素は、自身の安定化のためにプロトン(H+)を引き寄せるのです。このプロトンは溶液中に存在する水(H₂O)や酸触媒の酸から供給されます。これにより、アルコール基(-OH)が生成され、メチロール基(-CH₂OH)が形成されます。
これが尿素と反応し、脱水縮合(-H₂O)するとNH₂CONH同士がCH₂でつながった固まりができます。この-CH₂-の部分をメチレン基といい、このメチレン基を作り出す反応のことをメチレン化といいます。
この後、付加(メチロール化)と脱水縮合を繰り返すと、メチレン基でつながった網目状構造の尿素樹脂になるのです。
反応機構を理解しようと追っていくのだけれど、Hが急にくっついたり離れたりしていて、でも説明には書いてなくて…ということが何度かありましたが、きっと理系の方には触媒によるプロトン化、脱プロトン化というのは自明のことであえて説明していないのかもしれませんね。
でもこれで私にもようやく理解できたので、同じような反応機構が出てきても慌てないでしょう!
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